商品説明
落ち着いた叔父の言葉にたまらなくなり、叔父を強い力で引き寄せ、抱きしめた。叔父は身じろぎもせずに、俺に抱かれたままじっと立っていた。
「なんで言ってくれねぇんだよ!」
「…」
「俺はあんたのこと、愛」
口を掌で塞がれた。叔父は俺の濡れた顔を自分の肩から引きはがし、俺の口を押さえていた。
俺たちは見つめ合った。叔父はそれまでに見せたこともない厳しい表情で俺を見つめていた。
「…どうにもならない」
静かに叔父の手と体が離れていった。叔父は俺に背を向け、雨の中に去って行った。
その場に膝をつき、両手をついて頭を垂れた。俺は肩を震わせ、その場で熱い涙を零した。