新書 日本文学 孤独の俳句 小学館新書

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管理番号: BQ96146
発売日: 2022/11/24
メーカー: 小学館

商品説明

日本文学
小学館新書/こんな時代だからこそ心に沁みる名句がある 「孤独」や「孤立」を感じる時代だからこそ、心に沁みる名句がある。漂泊・独居しながら句作を続け“放浪の俳人”と言われた種田山頭火と尾崎放哉の自由律俳句が今、再び脚光を浴びているという。その厖大な作品の中から、山頭火の句は現代俳句の泰斗・金子兜太が、放哉の句は芥川賞作家でお笑い芸人の又吉直樹が厳選・解説する。労れて戻る夜の角のいつものポストよ 山頭火……東京暮らしには多少の余裕が出てきたものの、妻と別れて一人身になった孤独感は、やはり深かったのだろう。そんな折だから、町角のポストに友だちのような親しみを感じるのである。(金子)こんなよい月を一人で見て寝る 放哉一人で月を眺めていて、「よい月だな」と感慨にふけることがある。……だが、どこかでこの喜びを誰とも分かち合うことができない淋しさも感じてしまう。……一人だからこそ感じることのできた喜びと淋しさが句の内部で循環している。(又吉)うしろ姿のしぐれてゆくか 山頭火……感傷も牧歌も消え、生々しい自省と自己嫌悪も遠のいて、宿命をただ噛みしめているだけの男のように、くたびれた身体をゆっくりと運んでいる姿が見えてくる。(金子)咳をしても一人 放哉……誰もいない孤独が満ちた部屋で咳をする。その咳は誰にも届かず、部屋の壁に淋しく響く。一つの咳によって部屋に充満していた孤独や寂寥が浮き彫りになる。(又吉)孤独を磨き続けた2人の自由律の名句を“再発見”する一冊。