商品説明
社会
【内容紹介】
見極める力が、失敗を恐れない心を育てる
80歳にして挑戦を続ける経営者が自身の半生を振り返り、
未来を切り拓く挑戦の真髄を語る
目の前にチャンスがあっても、「自分には無理かもしれない」「うまくいかなかったら時間の無駄になる」といった不安が頭をよぎり、せっかくの機会を見送ってしまう--そんな経験は誰にでもあると思います。
特に近年、若者たちの間では高収入や出世よりも安定やワークライフバランスを求める人も増えており、新たな挑戦をすることへの慎重さが目立つようになっています。
この状況について著者は、慎重になること自体は悪いことではないが、変化の激しい時代だからこそ、適切に見極めたうえでの挑戦は不可欠だと述べています。
そして、挑戦を避け続けることは自身の成長の機会を逃すだけでなく、激しく変化する時代の中で取り残されることにもなりかねないと警鐘を鳴らしています。
著者は、証券会社の営業や自動車部品メーカーでの勤務を経て、妻の実家が営む産業用ガス供給会社に次期経営者候補として入社しました。
入社当初は、やり手のワンマン経営者だった義父に対し入り婿で新参者の著者が意見を通すのは容易ではなかったといいます。
しかし、そこで諦めることなく相手の心理と状況に応じて最適な手段とタイミングを見極め、企業を成長させるための挑戦を続けていきました。
そして、当時の地方中小企業では珍しかったISOの取得やITシステムの導入による業務効率化など新たな取り組みを進め、着実に成果を上げていった結果、義父から引き継いだ従業員10人ほどの零細企業を年商10億円規模の地元でも指折りの優良企業へと成長させたのです。
著者は、どんな仕事であろうと物事のタイミングや人間関係、自分の強みと弱みを的確に判断し、最適な選択を導き出す力--「見極め力」を身につければ、失敗を恐れる必要がなくなり、挑戦は単なる冒険ではなく、成功への確かなステップになるといいます。
本書では、そんな著者の経験を基に、挑戦を成功に導くための「目標」「時間」「結果」「人」、そして「自分自身」に対する見極め力について解説します。
挑戦することを恐れずに自らの可能性を切り拓きたいと願うすべての人にとって、人生の道標となる一冊です。
【目次】
はじめに
第1章 一歩踏み出すもすぐに諦めてしまう……
早々と見切りをつけ、現状にとどまろうとする若者たち
情報化社会が挑戦の意欲を失わせる
「遠くへ行く」ことがキーワードだった時代
目立たないことが最善
人がどう見るかを気にする世代の登場
挑戦を成功に導くもの
第2章 目先の結果にとらわれず「次の一手」に意識を向ける
挑戦を成功に導く「見極め力」
挑戦は冒険ではない
挑戦だけが人を成長させてくれる
見極め力は5つある
見極め力 その1 目標の見極め力
見極め力 その2 時間の見極め力
見極め力 その3 結果の見極め力
見極め力 その4 人の見極め力
見極め力 自分に対する見極め力
見極め力を高める3つの視点
第3章 人間関係、交渉、進言--
時に引きながらも反応を観察し、相手の思考を見極める
木下藤吉郎の知恵
どういう人が成功者になるのかを見極める
5人兄弟全員を大学へ
「やめとけ」という反応しかなかった俳優への道
証券の世界へ、今度は挑戦を貫く
押してもいい、引いてもいい
証券の世界で知った人との関係のつくりかた
毎朝7時に出社して準備を整える
自分のヒストリーを自分の言葉で語れるかどうか
多種多彩な人との付き合いで手に入れた見極め力
納品したランプに頻発したトラブル
自分にできることを見極めて行動する
工場の現場の人たちと心を一つにする
物事を前に進めるのは常に人と人の関係
信頼を得るために必要なことは何か
聞き役に徹してフリーハンドを得る
急速な市場拡大が期待できる産業用ガス
信任を得るためのアドバイス
経営者としての師をもつこと
つくりあげた私なりのリーダー像
第4章 業務改善提案、組織改革、業界全体の課題解決--
周囲の反応にふりまわされず、全体の流れを見極める
状況を見極め、戦略を立てて挑めば勝てる
何が必要とされているのか、ニーズを見極める
熱を使う、冷やす、酸化を防ぐというニーズを追いかける
商社の役割は原料メーカーと工場をつなぐこと
まず丁寧に観察する
いかに説得力ある提案をするのか、戦略を見極める
提案者としての信頼を得る
PTA役員として知った教育の現場
いつまでに何をするか、時間軸で考える
挑戦にふさわしい組織を見極め、つくりあげる
就業規則と18カ条の心得を決める
ロゴマークも変更する
ISO取得を通した従業員の意識改革
自立と自律のための従業員への呼びかけを行う
働くのは会社のためではなく、自分のため
SDGsも意識改革の一環として位置づける
第5章 業界の行く末、自分の将来、次代を担う若者たち--
「やるべきこと」と、「今、必ずやるべきこと」を見極める
やるべきだが、今ではないという選択
前進のためのストックとして留保する
挑戦には息の長いものもある
小出しにしながら、少しずつ変えていく
業界の旧態依然の慣習も少しずつ変える
まず隗より始めよ、という教え
サクランボもイチジクも、いつか実がなる
相手を見極め、場を見極める
第6章 挑戦に年齢は関係ない
人生とは、常に一歩先を見極め踏み出し続けること
十代で封印した挑戦を70歳で再開
俳優は営業マンに似ている
テレビの経営者のトーク番組に出演する
私たちは何のために挑戦するのか
恐れずに挑戦しよう
おわりに
【著者略歴】
大野正和(おおの まさかず)
1944年岐阜県生まれ。
1963年大垣北高等学校を卒業後、明治大学政治経済学部に進学。
役者を目指すが親に大反対されたことで諦めて勉学に励むようになる。
1967年大学卒業後、岡三証券株式会社に入社。
4年勤めお金について学び、次は成長が見込まれる業界に行きたいと思っていたところヘッドハンティングされスタンレー電気株式会社に転職。
当時大卒の転職者が少なかったため教えてくれる人がおらず、退勤後に独学で業務を覚えた。
29歳で結婚。
会社から海外転勤の要請があったが、行きたくないと思っていたところへ妻の実家である株式会社三光堂へ入社するよう要請があり、事業承継することを決意。
継ぐ前に1年間市場調査をさせてほしいと思い、1年間の準備期間を設けてもらった。
早い時期から携帯電話を導入するなど進んだ営業を行っていた。
1999年頃、社長になる準備期間があり、これまで明文化されていなかったルールなどを決め、まず経営理念とロゴマークを新たにつくった。
その後、標語を毎年作成している。
70歳で初めて舞台に出演し学生時代の夢をかなえる。
何事にもチャレンジすることを心がけている。