商品説明
社会
【内容紹介】
分断が進み、ますます混沌とする世界情勢。
11月のアメリカ大統領選が話題となる一方、「アメリカ」をどう捉えたらいいのかわからない状況が続いています。
危機感を抱いた青木真兵さん(人文系私設図書館ルチャ・リブロキュレーター)の呼びかけに、米国で生まれ育った建築家の光嶋裕介さん、米文学を研究する白岩英樹さんが賛同。
2023年10月、それぞれが自らの中の「アメリカ」を問い直すリレーエッセイが始まりました。
「生き直し」の先駆者、公平性にもとづく自由な社会、ヨーロッパの支流としての新しい国……3人が抱くアメリカのイメージは、対話を重ねるほどに深化し、ぶつかり、離れたかと思うとまた1つになっていきます。
読むうちに、「自分にとってのアメリカ」がやさしく揺さぶられ、世界を見る目が更新される 今このときに多くの人に届けたい、真摯で率直な全18回の対話集です。
ぼくたちの「未来を見る目」には、「アメリカ的なるもの」が標準装備されているのに、今、自分の中の「アメリカ」と現実の「アメリカ」は、あまりにかけ離れている。
青木真兵
世界は今、空間的にも、時間的にも、引き裂かれている。
心の目で世界と対話し、希望の光を建築に宿すことはできるだろうか。
二つの言語(自我)を往来しながら、跳躍を重ねる対話をしてみたい。
光嶋裕介
なぜいまさらアメリカなのか。
それは、彼の地がいまなお「未完」の革命を繰り返す「生き直し・再生(rebirth)」の場であり続けているからである。
白岩英樹
【目次】
はじめに 青木真兵
1 生き直しのヒントを探す旅へ 白岩英樹
2 小さな跳躍を重ねて、獲得する大きな自由 光嶋裕介
3 僕の人生に「アメリカ」は関係がないと思っていた 青木真兵
4 「移民国家」アメリカ 「文明人」はどちらなのか 白岩英樹
5 「アメリカ」をどこから見るべきか 青木真兵
6 オフィスビルという欲望の建築の終焉 光嶋裕介
7 戦争と分断に抗って「線路」を延ばす 白岩英樹
8 アメリカの「自由と民主主義」が抱えるもの 青木真兵
9 フラーから考える建築家の倫理 光嶋裕介
10 What Are You Standing On? 白岩英樹
11 食糧から見る、アメリカの現在地 青木真兵
12 モグラの手つきで 抵抗と連帯の詩学へ 白岩英樹
13 自然と対峙した完全芸術家のまなざし 光嶋裕介
14 「ちょうどよく」とどめる精神で 青木真兵
15 沈黙と光を愛した遅咲きの建築家 光嶋裕介
16 同じ筏のうえで あなたはわたしになったあなたを殺せない 白岩英樹
17 原爆、安保、沖縄 青木真兵
18 終わらない会話のために 光嶋裕介
おわりに 白岩英樹
【著者略歴】
1983年生まれ、埼玉県浦和市(現さいたま市)に育つ。
「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」キュレーター。
博士(文学)。
社会福祉士。
2014年より実験的ネットラジオ「オムライスラヂオ」の配信をライフワークとしている。
2016年より奈良県東吉野村で自宅を私設図書館として開きつつ、執筆活動などを行っている。
著書に『武器としての土着思考 僕たちが「資本の原理」から逃れて「移住との格闘」に希望を見出した理由』(東洋経済新報社)、『手づくりのアジール─土着の知が生まれるところ』(晶文社)、妻・青木海青子との共著に『彼岸の図書館─ぼくたちの「移住」のかたち』(夕書房)、『山學ノオト』シリーズ(エイチアンドエスカンパニー)、光嶋裕介との共著に『つくる人になるために 若き建築家と思想家の往復書簡』(灯光舎)がある。