商品説明
経済
【内容紹介】
<<円安は止まるのか? 金利のある世界が再来!>>
しつこい物価高で国民は疲弊、資産価格の高騰で富裕層は潤う──。
持続困難な財政、低金利政策の継続が、問題をいっそう深刻に。
中長期的視点から日本経済の課題と選択肢を提示する注目書。
金利や外国為替の動向を見定めたい投資家、金融関係者必読!
■2013年4月、日本銀行は長らく続いたデフレ経済からの脱却を目指し、量的・質的金融緩和を導入した。
黒田東彦日本銀行総裁(当時)は、大規模な金融緩和策によって2%の「物価安定の目標」を2年で実現すると表明。
インフレ目標の導入により期待に働きかけ、デフレ脱却を目指した。
■大規模金融緩和は、株高・円安をもたらす一方、本来の政策目標であるデフレ脱却は先が見えなかった。
日銀は出口を考えることなく緩和策を続々と追加し、国債市場の機能は著しく低下。
政府の財政規律は緩み続けた。
■日本がデフレと格闘する中、2020年には新型コロナウイルスの感染が世界的規模で流行(パンデミック)、その2年後にはロシアがウクライナへ侵攻した。
経済の分断は深まり、欧米諸国を中心に激しいインフレに見舞われた。
だが、2024年を迎えてなお日銀は大規模緩和の修正に消極的であり、政府は歳出改革に手つかずのまま。
その陰で経済の歪みは拡大、重要課題は置き去りにされている。
■本書は、人口動態やエネルギー政策、社会インフラなど日本が直面する困難を見据えつつ、粘着的な物価高の構造的な要因を説き、政策運営全般の矛盾を鋭く指摘。
具体的な課題を提示するとともに、政府・日銀に決断を迫る。
■政策関係者や金融関係者のほか、今後の金利やドル円の動きなどを見定め、運用を検討したい投資家が読んでおきたい注目の一冊。
【目次】
プロローグ──パンデミック、気候変動、国際紛争
第1章 粘っこいインフレは何をもたらすのか
第2章 パンデミックの後遺症
第3章 気候変動と国際紛争
第4章 国力低下を反映した円安
第5章 財政の持続可能性を脅かす「政策の割当て」
第6章 企業行動の変容をウォッチする日銀
第7章 中央銀行の憂鬱
エピローグ──日本社会の課題
【著者略歴】
元日本銀行政策委員会審議委員
1989年ニューヨーク市立大学経済学博士。
86〜89年NBER(全米経済研究所)客員研究員。
86〜88年ニューヨーク市立大学、87年ニュージャージー州立大学で経済学部講師。
89年〜2004年チーフ債券ストラテジストとして野村證券、クレディスイス・ファーストボストン証券などに勤務。
2004年12月〜2009年12月日本銀行政策員会審議委員。
2012年4月〜2019年1月クレディスイス証券取締役副会長。