商品説明
歴史全般
【内容紹介】
野中郁次郎(一橋大学名誉教授 『失敗の本質』共著者)賛嘆す。
『独ソ戦』(岩波新書)で「新書大賞2020」を受けた
著者による、あらたな第二次世界大戦史。
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戦場を制するのは鉄でも血でもない--知性である
著者は「用兵思想」という概念のメスを振るい
第二次世界大戦の諸戦闘の本質を的確に洞察している
読者は新鮮な驚きを禁じ得ないであろう
野中郁次郎(一橋大学名誉教授 『失敗の本質』共著者)
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用兵思想の観点より、以下の緒戦闘が分析される。
【目次より】
第一章 ドクトリンなき「電撃戦」--ドイツの西方侵攻(一九四〇年五月 六月)
第二章 見果てぬ夢の終わり--英本土上陸作戦(一九四〇年九月?)
第三章 砂漠機動戦の序幕--英伊軍の激突(一九四〇年九月 四一年二月)
第四章 無用の出費--クレタ島の戦い(一九四一年五月 六月)
第五章 幻想の「重点」--「バルバロッサ」作戦(一九四一年六月 十二月)
第六章 戦略的失敗だったのか?--真珠湾攻撃(一九四一年十二月八日)
第七章 勝つべくして勝つ--第二次エル・アラメイン会戦(一九四二年十月 十一月)
第八章 「物語」の退場--クルスク会戦(一九四三年七月 八月)
第九章 第二の「タンネンベルク会戦」とワルシャワ蜂起(一九四四年八月)
第十章 壮大な戦略と貧弱な手段--アルデンヌ攻勢(一九四四年十二月 四五年一月)
第十一章 即興の勝利--レーマーゲン鉄橋攻防戦(一九四五年三月)
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第二次世界大戦が終結して以来およそ八十年、
戦後すぐに形成され、世界的に横行していた「伝説」や「神話」は、
長足の進歩をとげた歴史研究によって打ち砕かれ、あらたな像が描かれつつある。
本書は、そうした成果を取り入れ、主としてヨーロッパ戦線の戦闘を題材として、
ともすれば旧来のイメージにとらわれがちだった日本での認識を刷新せんと試みた。
戦略・作戦・戦術から成る「戦争の諸階層」、「指揮文化」、
「戦闘有効性」--用兵思想の概念を用いた議論は、
エル・アラメイン会戦やクルスクの戦い、アルデンヌ攻勢などの大戦闘を
縦横無尽に解析し、戦乱が身近に感じられるようになった現代日本において、
軍事の要諦を知るための必携書である。