商品説明
地球科学・地学
アンモナイトといえば、誰もがあの「巻貝のようにグルグルした殻」を思い浮かべるだろう。アンモナイトは日本古生物学会のシンボルマークにもなっており、小学理科の教科書では「中生代白亜紀末に絶滅した頭足類」「地質時代を示す示準化石のひとつ」などと説明される。化石を持っている人もいるかもしれない。それなのに、私たちはアンモナイトが実際にどのように暮らしていたか--何を食べ、どのように泳ぎ、どんなふうに成長し、どういった進化を遂げたかなどをよく知らない。なぜなら、本体(軟体部)が化石になりにくく、また生活の痕跡が地層に残りづらいことなどにより、そもそも古生態の復元が難しいからである。 研究の進展により、その謎は徐々に明かされてきた。種ごとに食性や生息域が異なっていた可能性、雌雄で大きさが異なっていた可能性、小さな卵をたくさん産んだ可能性……など、この10年ほどで次々と指摘されるようになってきた。本書では、「アンモナイト博士」と親しまれる著者が「渦巻き化石」と知られるアンモナイトのリアルな姿や生きざまを、最新研究を交えてわかりやすく解説する。アンモナイトを知りたいなら、まずはこの一冊を手に取ってほしい。