商品説明
絵画
大巻伸嗣は、空間と時間を抽出して体感させるような壮大なインスタレーションはもとより、多くの人々と協働して場を変容させるアート・プロジェクトや舞台芸術にも、その優れた資質を発揮してきた。光と闇を重要な要素とする大巻の空間は、天体のリズムにしたがった始原的な生の感覚に満ちている。また、動植物や風景を象った装飾的なイメージは、古来人間の生活とともにあった豊かな文様の世界を想起させる。「存在するとはいかなることか」を長年探究してきた大巻の創作には、自然の摂理、そして生と死という逃れようのないサイクルのなかで生きることへの、根源的な洞察が秘められている。
本書は、国立新美術館で行われる天井高8m、2000m2にも及ぶ、柱の無い大きな展示室で開催される新作展の公式図録兼書籍。展覧会では大巻の代表的シリーズをかつてない規模に拡大した最新インスタレーションが公開される。本書では、同シリーズの近作を多数掲載し、最新作への大巻の軌跡をたどる。
また、展覧会では世界を揺るがせたパンデミックのさなかに制作が始められた映像が発表される。本書では、新作映像のスチールや、ドローイングなども掲載。身体と響きあうブックデザインで、大巻が創りあげる現代の総合芸術へと導く。国立新美術館展示の最新作ポスター付。