商品説明
社会
【内容紹介】
著者は、若くより南西諸島の島々を旅することに魅せられ、南与那国や南波照間のユートピア幻想にとらえられていた。しかし、年齢を重ねるほどに、そうした幻想を夢見ながらも島にとどまり、現実を引き受けた人々の日常に自分の思いを重ねることが多くなった。日々の平凡な時間を迎え、自分の足許を見つめ、渡りきれぬ海を渡り続ける毎日こそが、生きること、人生なのだ。そう思うようになった著者の新詩集。繊細な言葉で日常の密やかな詩情を掬い取り、普段使いの平易な言葉で優しくなつかしい記憶を呼び起こす。
【目次】
1.ふぇっくしゅん
2.日の丸弁当
3.驟雨
4.白楊会館
5.雲の中で散歩
6.時の外にいるのだろうか
7.飯焚く小舟
8.ロングロングアゴー
9.親父の胸に
10.カバヤ文庫
11.余寒消息
12.親父、俺も七十四歳になったよ
13.コキ104
14.芙蓉の花は
15.日の遍歴
16.虹(アミヌミヤァ) 与那国島にて
17.彷徨の時間 韓国・江原道旌善を訪れて
18.昼下がりに「リチャード」で
19.ベラんめぇー
20.シルエットは
21.歩いていたら、なんとなく方丈記
22.背中
23.春雨
24.ホヴァリング
25.「とぶ」と求められて
26.逢ひに行く
27.お〜いっ 溜池のQ太郎やぁ〜い
28.まめて
29.無鉄砲
30.つるっ と
31.真夏の夜の浅い夢
32.いわし雲
33.凄いねツバメさん
34.秋祭
35.遠雷
36.パノラマ
37.春うらら
38.後記
【著者略歴】
1947年松山市三津浜生まれ。同市在住。
1965年4月から80年3月まで首都圏で暮らす。
「野獣」「異神」「開花期」「孔雀船」「舟」等の詩誌をへて、現在は個人詩誌「漣」を発行。
<詩集>
『平和風平和な街にかかる祝祭星座』(冬至書房)『罠』(昭森社)『海』(創樹社)『ゆくえ』(インクスポット)『日の雨』(ミッドナイト・プレス)『夜の舟』『楠樹譚』『耳のタラップ』『ずっと、ここに』(創風社出版)
<詩論集・評伝>
『喩の島の懸崖』(創風社出版・愛媛出版文化賞)
『峡のまれびと 夭折俳人芝不器男の世界』(邑書林・愛媛出版文化賞)
『恋する正岡子規』(創風社出版・愛媛出版文化賞)
『戦争・詩・時代』(創風社出版・愛媛出版文化賞・詩歌句随筆評論大賞奨励賞)
『青い夜道の詩人 田中冬二の旅 冬二への旅』(創風社出版・日本詩人クラブ詩界賞)