商品説明
社会
【内容紹介】
ウクライナ戦争はこう着状態が続き、いつ終わるともわからない状況だ。著者は言う。「ウクライナは戦争(紛争)状態にある限り、NATOに加盟することができない。ロシアはウクライナをその状況に置き続けたいだけ。紛争は終わらない。ウクライナは中東のパレスチナのようになり、常にきな臭さが漂う状況がいつまでも続くだろう」
さらに著者は以下のような「不都合な真実」を提示する。
●ウクライナは世界有数の穀物輸出国で豊かに思われているが、じつはGDPは世界122位で、かなりの貧乏国。2010年代以降はマイナス成長が続き、戦争前まで、ウクライナ国債はデフォルトの危機にあるぐらいひどい状況。
●一方、武器輸出では世界11位という大国。旧ソ連製の空母やミサイルを中国、北朝鮮に流している。中国初の空母・「遼寧」はウクライナから輸出した旧ソ連製空母のエンジンで動く。北朝鮮のミサイル「火星」も元はウクライナの輸出品。日本の安全保障は、ウクライナによって脅かされている。
●ウクライナは財閥「オリガルヒ」のコロモイスキーに私物化されている。コロモイスキーはウクライナのトップ銀行・プリバトバンクを支配し、国民の個人口座の4割を集めている。その金をマネーロンダリングし、アメリカ・オハイオ州の大都市・クリーブランドのオフィスビルを買い占め、運用益で私腹を凝らしている。
●コロモイスキーは民兵組織である「ウクライナ義勇軍」をつくる。親衛隊的な軍事力を自ら抱えることで、国家をも支配した。かつての満洲、張学良のような「軍閥」として君臨している。そしてゼレンスキー大統領もかつて、コロモイスキーの部下の一人。このように、ウクライナはまともな国家、社会の体をなしていない。
本書では、日本では全く知られていない、ウクライナ戦争の根本にある「ウクライナという国家、社会の大問題」を明らかにする。そして破綻国家・ウクライナの実情を熟知しているロシアが、今後どう動くのかを、予測していく。
海洋への出口をめぐる300年の闘争
旧ソ連構成国をロシアは主権国家とみなさず
ウクライナ国内東部と西部はほとんど別の国
ソ連統治下で死者500万人の大飢饉
なぜプーチンはウクライナを「ナチ」「ファシスト」と呼ぶのか
経済規模はソ連時代の6割に縮小
ロシア産天然ガスのくびきからの解放
ウクライナを食いものにしたオリガルヒたち ……
【著者略歴】
1963年京都市生まれ。1986年、京都大学経済学部を卒業し朝日新聞社に入社。ニュース週刊誌『アエラ』編集部記者を10年務める。2003年、同社を早期定年退職。フリーランスの報道記者・フォトグラファーになる。書籍とインターネットを駆使して執筆活動をしている。
1994年、ニューヨーク市にあるコロンビア大学国際公共政策大学院(SIPA)に自費留学し、国際安全保障論(核戦略・日米関係)を専攻し修士号を取得。
『フェイクニュースの見分け方』『報道の脳死』(以上、新潮新書)、『原発難民』(PHP新書)、『福島第1原発事故10年の現実』(悠人書院)、写真集『福島飯舘村の四季』(双葉社)など著作は20冊に及ぶ。