商品説明
家政学・生活科学
【内容紹介】
起立性調節障害(OD:Orthostatic Dysregulation)は、体の機能を調節する自律神経がうまく働かないために、その名のとおり「起立」したときやそうしようとしたときに、めまいや頭痛、吐き気、立ちくらみなどさまざまな不快な症状が現れやすくなる病気です。中学生の約1割にみられ、症状が強いと遅刻や欠席にもつながり、不登校の子どもの3〜4割にみられます。
不登校や朝起きられない原因がODだと気づきにくいこともあり、さぼっている、やる気がないとみられがちです。ODは本人のやる気の問題ではなく、自律神経の病気なので叱っても改善せず、ストレスがよけい事態を悪化させてしまうこともあります。
本書では専門外来で日々診療にあたり患者、家族と接している医師が、起立性調節障害についてわかりやすく解説し、子ども自身の力や成長を見守りながら、適切に支援していくための基礎知識、治療法を紹介します。
【目次】
CHAPTER1 起立性調節障害とは
起立性調節障害ってどんな病気?
起立性調節障害の主な原因を知る
睡眠と起立性調節障害の関係
思春期の子どもの特徴
どんな子どもが起立性調節障害を発症しやすいのか
起立性調節障害を長引かせないために
CHAPTER2 病院を受診する
起立性調節障害のセルフチェックをしてみる
受診してからの流れ/新起立試験でわかる起立性調節障害の詳細
起立性調節障害と似た症状があらわれる病気/さまざまな睡眠の異常やパターン
神経発達症との関係
CHAPTER3 起立性調節障害を治療する
治療の流れ
薬を使わない治療
(1)起き方・立ち方・座り方
(2)毎日の食事や水分のとり方
(3)適度な運動を心掛ける
(4)気候・天候などへの対策
学校へサポートを求める
起立性調節障害から起こる不登校
薬による治療
環境の調整
併発しやすい病気や症状への対応
CHAPTER4 心理面の対応を考える
心理面の対応の必要性
「家族」としてできること
保護者と子どもの関わり 〜愛着・子育てについて〜
子どもとの接し方/うつ状態になったときの対応
CHAPTER5 「これから」に向けた取り組みを始める
回復を目指すための居場所づくり
子どもとともに進路を考える
将来の夢や目標を見つけること
発症から回復までの経過 〜それぞれのケース〜
【著者略歴】
東京逓信病院小児科起立性調節障害専門外来医師。医学博士。兵庫県生まれ。1981年神戸大学医学部卒業、1981年神戸大学医学部小児科研修医、1982年姫路赤十字病院、1983年神戸逓信病院勤務。神戸逓信病院で小児科医長、主任医長、部長職を歴任。2015年より東京逓信病院小児科へ転勤、現在は起立性調節障害専門外来を中心に診療。
専門および資格は、日本小児科学会専門医・指導医、日本アレルギー学会専門医、子どものこころ専門医・指導医、日本小児心身医学会認定医・指導医、日本小児精神神経学会認定医、こどもの心相談医、ICD(Infection Control Doctor)、日本医師会認定産業医。