商品説明
芸術・美術
【内容紹介】
プラーツが生涯考察し続けた新古典主義とロマン主義は、ヨーロッパが「オリエント」を改めて発見した時代の産物であった。したがって、ロマン主義者の作家や画家たちがそこでなにを見て、なにを感じたのかを解き明かそうとするならばおそらく、ほかのどこよりもオリエントに心を惹かれたのは必然である。プラーツはまず、一九二〇年代にアラビア文化の色濃く残るイベリア半島を巡り、一九三一年にはギリシアを旅し、それぞれの風景や建築をつぶさに見ている。そののち、第二次世界大戦の破壊と戦後の混乱を経て、西欧の支配から独立してまもないオリエントの国々に赴いた。プラーツは紛れもない「旅する人」であった。あたかも時を遡るかのように、レヴァント地方とエジプトの各地を巡り、建築と美術と文学の迷宮に自らやわらかく陥入し、時空を超えたテクストと記憶の織りなす、人類文化の始原へとわれわれを誘う。珠玉のエッセイ集!
【目次】
プロローグ ロマン主義者たちのオリエント 新保淳乃
オリエントへの旅 金山弘昌
パルミラ 金山弘昌
バールベック巡礼 金山弘昌
騎士の城 金山弘昌
ダマスカス 新保淳乃
一九世紀のレヴァント 新保淳乃
エジプトの空 新保淳乃
カイロのモスク 伊藤博明
刺青を入れた神殿 伊藤博明
偉大な者たちと卑小な者たちの痕跡 伊藤博明
ピラミッドの内と外 伊藤博明
エピローグ オリエントのマリオ・プラーツ 新保淳乃
註
人名・作品名 索引
【著者略歴】
イタリア文学とイタリア美術の卓越した碩学