商品説明
日本文学
【内容紹介】
◆第六句集
武蔵野のすつ飛び雲や唐辛子
われわれの「□」誌は今年八月に創刊九五〇号を迎る。
顧みて自分は石田波郷、石塚友二、星野麥丘人に見えて句作精進を重ねてきた。
こんな幸せはない。
才は三師に及ぶべくもないが、これからも自分なりに句作の道を励んでまいりたい。
(著者)
◆自選十五句
初山のこゑのひよどり矢継早
芹の香や日々のあかしの友二の句
旅にして青葉の雨やブックカフェ
手の窪にのせて糸底涼新た
一茶忌の草鞋日和と言ひつべし
筆に腰さうめんに腰秋はじめ
柿むいて柿の日などもありてよし
日脚伸ぶ駅の広場にケーナの音
田螺鳴く利息が二円付いてをり
一の字に反りて鰰焼かれけり
武蔵野のすつ飛び雲や唐辛子
膝打つてさて策もなし秋扇
夫婦して訪ふ泉あり風鶴忌
七十も終りの九の初景色
観音の湖北へこころ草の花
【著者略歴】
昭和17年(1942) 東京都に生まれる。
昭和39年(1963) 「 □」入会。
以後、石田波郷、石塚友二、星野麥丘人に師事。
昭和54年(1979) 「風切賞」受賞。
平成元年(1989) 「□俳句賞」受賞。
平成25年(2013) 「□」主宰継承。
句集に『並欅』(昭和56年)、『踏青』(昭和63年)、『小満』(平成8年)、『自註鈴木しげを集』(平成12年)、『山法師』(平成19年)、『初時雨』(平成27年)。
現在、公益社団法人俳人協会名誉会員、日本文藝家協会会員。