商品説明
日本文学
【内容紹介】
Bitch(あばずれ)って何?と問いたる女生徒の挑めるようなつよき眼差し
これほど率直に教育現場の現実がなまなましく詠われた歌集は、ほとんど例がないのではないだろうか。その意味でも大引さんの『クジラを連れて』は歌壇のみならず、社会全体に大きな一石を投げかけるものになるだろう。・・・永田和宏「栞」より
腐刻画の森にきらめく風のごと汝が瞳の翳りもとどめおきたし
これらの歌に見られる、現実に立脚しながら見えないものを言葉で捉えようとする作者の特質は、歌集全体に通底しているようにも思われる。・・・魚村晋太郎「栞」より
「百キロも淋しかった」という吾子よ触れえざりその淋しさの端
風景であれ人物であれ、リアルな地表からの浮遊感を特徴としていた作者が「吾子」を詠う時期にはその浮遊性に思索の深さが加わってゆく。・・・山下泉「栞」より