商品説明
日本文学
【内容紹介】
●第一句集
彫金入りイタリー銃を磨く春
「彫金入り」とあるから、みごとな装飾のある高価な銃だろう。だからといって、単なる飾りではあるまい。春という季節、すでに猟期を終えている。多くの鳥獣を得させてくれた感謝と次の猟期でも同じような恵みをもたらしてくれることを願いつつ、銃を磨いているのだ。
(序・小澤實)
●小澤實十五句選
角切りの鹿鎮めたり柄杓の水
ステンレス棒鋼が箸冷麺屋
樟脳船ビニールプール二周に尽く
新酒フェスタに百余の新酒十試す
短艇に拾ふデコイと撃ちし鴨
鴨二羽を射貫きぬ五ミリ弾ひとつ
野兎の耳は褒美ぞ犬にやる
引き金引く指先のなき手套嵌め
手長蝦短筒捕りや米糠入れ
羆撃ち抜きたる臼歯届出でぬ
熊の糞径に渦巻く跨ぎ越す
巨躯の鹿ウィンチに牽く顎に鉤
ナイフの柄鹿角製ぞ鹿皮剥ぐ
雪代岩魚釣れて刺身ぞ塩に食ふ
彫金入りイタリー銃を磨く春
【著者略歴】
昭和25年 神戸市東灘区御影石町生まれ
昭和48年 慶應義塾大学法学部法律学科卒、株式会社千葉銀行勤務
平成21年 澤俳句会入会 小澤實に師事
平成27年 千葉市猟友会入会
平成29年 澤潺潺賞受賞
澤同人
俳人協会会員