商品説明
日本文学
【内容紹介】
◆第一句集
哲二さんの句は平明だが、決して平板でも単純でもない。対象を哲二さん独自の感性で柔らかく鮮明に描いていて、余韻が残る句なのである。
(序・塩川京子)
◆自選十二句
父の手に負へぬ夜泣きや夏の月
子の肩のてんたう虫をまだ告げず
冬空や日本の裏といふ故郷
産声のひときは高し実南天
新走り飲み干す肘の高さかな
子放てばたちまち駆けて飛花落花
遺伝とふ恐ろしきもの夏帽子
常連とならぬ気安さ帰り花
いちまいの青となりたる初御空
蝶を追ふ蝶ひるがへり午も過ぎ
波郷忌や遺影の髪の豊かなる
基地の中まで寒林のひと続き【著者略歴】昭和55年 新潟県生まれ
平成26年 「阿吽」入会
平成29年 第29回阿吽新人賞
令和2 年 第32回阿吽賞
令和3 年 第9回星野立子新人賞
「阿吽」同人、俳人協会会員
俳人協会の若手句会および若手部にも参加