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日本文学双葉文庫/北町奉行所隠密廻り同心の裄沢広二郎は、月番の南町奉行所に出された訴えの事で、深川の扇屋錦堂から相談を受けた。お白洲の場を取り仕切る南町与力の笠置が吟味の場で曖昧な態度を取り続け、訴人と錦堂の双方から賄賂を取ろうとしているという。その結果後日、錦堂に負けのお裁きが南町から下った。納得のいかない裄沢は、南町奉行所の専権事項に関する別の一件で疑義を申し立てた。南北両奉行所の協調関係を損ないかねない越権行為に、南町から裄沢の処分を求める声があがる--。