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日本文学
ポプラ文庫ピュアフル/イェスデン王国の北方。険しい峰々と鬱蒼とした森に囲まれるリンドブロム領を治めるのは、その美しさから「辺境の真珠」と称される若き女公、リーサ・リンドブロムであった。貧乏領と呼ばれた地の経済を十年かけて立て直し、後継の養子エルガーに領主の座を譲るという段になって、突然、元婚約者の第四王子・ウルリクの率いる王領軍がリンドブロム領にやって来る。その目的は、十年前に反逆を起こし国外に逃れていた王弟・ランヴァルドの再起を恐れた国王の密命により、かつて王家がリンドブロム家に預けた真の王の証「波濤の聖剣」を受け取ることだという。まさに同時期に、ランヴァルドが王都を急襲。国王崩御の報せが舞い込み--。国の変事を前に、民を守るためリーサに残された道はひとつ。ウルリクに協力し、王の証を手にした彼を王座に就けること。未だ燻るウルリクへの恋心はじめ様々な葛藤を抱えながら、リーサは嵐の中に身を投じ、未来を切り拓いてゆく。■著者プロフィール喜咲冬子(きさき・とうこ)函館生まれ、札幌在住。第3回富士見ラノベ文芸大賞審査員特別賞受賞。2019年ノベル大賞佳作受賞。著書に『流転の貴妃 或いは塞外の女王』『竜愛づる騎士の誓約』『やり直し悪女は国を傾けない〜かくも愛しき茘枝〜』(集英社オレンジ文庫)、「黎明国花伝」シリーズ、「華仙公主夜話」シリーズ(富士見L文庫)などがある。