商品説明
日本文学
ポプラ文庫/今日も頑張ったあなたを労わる、とっておきの「夜食」をどうぞ。おいしいものが大好きな作家陣が、「夜食」にまつわる人間ドラマを描く、心とお腹が満たされる短篇集。定時退社して、中央線のある駅の改札前に陣取った陽茉莉。脳裏によぎるのは、待ち人である憲吾との思い出の数々。小学校の同級生だった彼と大学二年のとき再会するもすぐ疎遠に、社会人になって偶然連絡を取り合うようになって恋人同士になったのだが……。--標野凪「バター多めチーズ入りふわふわスクランブルエッグ」終電を逃したすず音が、謎めいた女性に誘われてたどり着いたいっぷう変わった店「うしみつ屋」。秘密の合言葉を告げた先には、思わぬ世界が広がっていた--。--冬森灯「ひめくり小鍋」那須高原にある小さなペンション「ペンション・ワケアッテ」。傷心旅行で明美が訪れたそこは、いわくつきと噂の場所だった。--八木沢里志「ペンション・ワケアッテの夜食」ある事情から不眠がちの勝を、深夜一時大学の同級生・昇一がラーメンを食べに誘いに来た。「二人で罪悪感を分け合うんだ」昇一のお目当ての店に向かう途中、ふたりの身近で起きた事件の現場を通りかかり……。--友井羊「深夜に君と背脂ラーメンを」地元の友人たちと真夜中のファミレスに集っておしゃべりをする「夜食会」を定期的に催している私。アラフィフにもなれば、バツがついた人、熟年結婚する人、子どもとの関係に悩む人、ずっとシングルで来た人さまざまだ。気のおけないおしゃべりは、意外な展開へと繋がり--。--大沼紀子「夜の言い分。」食に厳しい母に育てられた料理研究家の秀美は、結婚して5年になる体によい料理を好む亮太郎に、インスタントの激辛キムチラーメンが食べたいと言い出せない。そのストレスが次第に溜まっていき--。--近藤史恵「正しくないラーメン」