商品説明
日本文学
角川文庫/海を望む古民家風の「くろねこカフェ」。そこには、青年店主の谷中景がふるまう「くろねこのおやつ」がある。景の妹・風花が社長を務める葬儀会社のサービスのひとつで、葬儀の後日、故人の思い出のおやつを招待客にふるまうお茶会だ。たとえば、こんな……。中学生の頃の陰口が原因で外に出るのが怖くなり、42歳の現在までひきこもっている奥寺由美香。父はすでに亡く、働かずに母に甘える生活を送っていた。しかし母はある日突然心筋梗塞で他界してしまう。葬儀を終えて途方に暮れていた由美香のもとに、「くろねこのおやつ」の招待状が届いた。直筆の母からの招待状に、彼女は勇気を出して「くろねこカフェ」へ向かった……。「楽花生パイ」「マロングラッセ」「ティラミス」「ベーコンのチョコレートがけ」。もう会えない大切な人から届く甘い贈り物に秘められたメッセージとは--。