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日本文学新潮文庫/家康の孫娘、和子【まさこ】は「徳川の血を引く天皇の誕生」という悲願のため、後水尾天皇のもとに入内した。二度と、江戸の土は踏めぬ--。一触即発の朝幕関係、待望した皇子の夭折【ようせつ】、夫帝の突然の譲位。次次と襲いかかる荒波を持ち前の天真爛漫【てんしんらんまん】さと芯の強さで乗り越え、彼女は両家の対立を超えた存在となってゆく。歴史上唯一、皇后となった徳川の姫の、稀有【けう】な生涯を描いた大河長編。『華の譜』改題。