商品説明
文学部一年の埋 夏樹はある夏の夜、美術学部に通う岩戸優紀と出会い、二人は恋に落ちる。しかし、花火大会で優紀は「きみには幸せになってほしい。早くかわいい彼女ができるといいな」と言い、その後姿を消す。消息を探るためにキャンパスを尋ね回った夏樹が掴んだのは、彼女の奔放な交際歴と「あの子は、冬は学校に来ないよ」という元彼の謎めいた言葉だった。もう一度会いたくて、なんとかして優紀の実家を訪れるが、そこで彼女が「冬眠する病」に冒されていることを知る。現代版眠り姫が投げかける、人と違うことによる生き難さ、大切な人に会えない切なさ、そして冬を無くした彼女のある秘密--。