商品説明
花煙草の煙。それは限りなくやさしい、毒--。毒がなければ生きていけないと言った「先生」についていったナヅル。彼はなぜ、いま帰ってきたのか--。生まれ育ったマキヨノで仕事も愛する女性も得て、安定した生活を送るハルヒヤ。懐かしい友人、ナヅルとの十年ぶりの再会を喜んだものの、彼が「花煙師」になったことを知る。ナヅルがいない間に、マキヨノでは花煙師の出入りを禁止することが決まったのだ。彼らが作る「花煙草」は、身体に害を与えるという。複雑な思いでナヅルと接するハルヒヤだったが…。儚い幻想抒情譚。2018年ノベル大賞佳作受賞作!