商品説明
俺は一人の少女を拾った--日常が崩壊するきっかけであることを気付かずに 札幌の薬局に勤める香食禮次郎は、権威を振りかざし患者は二の次な医師たちや、事なかれ主義で仕事を進める薬剤師の同僚たちに囲まれた日常に飽いていた。 だが、そんな禮次郎の人生は、一人の少女と出会ったことで一変する。衰弱していたその少女はクチナシと名乗り、介抱したうえで警察を呼ぼうとする禮次郎に部屋に置いて欲しいと頼む。謎めいた雰囲気の少女に対する好奇心と同情心から、クチナシの頼みを聞き入れる禮次郎。だが、これが後に訪れる狂気の世界への入り口だと、彼はまだ知らなかった--。「禮次郎さんって、食べたらどんな味がするんでしょうね」