商品説明
ここではない世界のどこか遠い遠い東の国に、一人の美しい少女がおりました。
少女には作家の兄がおり、いつも新作のお話を聞かせてもらうことを楽しみにしていました。
「今度の物語は、孤独の死神を主人公にしようと思っているんだ」
少女は、いつかその物語が完成することを楽しみに願っていました。
そんなある日のことでした。
蒼色の空の下、時が止まったままの時計塔を見上げている少女に、一人の青年が声をかけてきたのです。
不思議な容貌をした青年は、記憶を失っていました。
青年がただ一つ覚えていること、それは自分が『死神』であるということ。