商品説明
「俺がきみを本気で抱いたら、きみが壊れる」
「壊してほしいのに?」
「きみは楡崎圭吾と別れたほうがいいよ」
画家である亡き父の偲ぶ会があった夜に知り合った男から早坂蒼はそんな言葉を投げかけられた。それがすべての始まりだった。
楡崎圭吾--彼は亡き姉の夫であり、いまはひとつ屋根の下で暮らしながら、蒼を抱く男でもある。常に倦怠感を身にまとい、なにを考えているのかわからないが初めて出会った子供のときから、蒼は圭吾に惹かれ続けてきた。
互いに強く想いあいながらも独占欲を押し殺し、むしろ終わりをさぐりあうかのように一種の緊張感のなか、ふたりは身体を重ね続けている。
けれど、ひとりの男の登場により、ふたりが築き上げた均衡は壊れはじめて……