商品説明
社会
【内容紹介】
社会デザインとは何なのか。
本書では、日々思索を重ねてたどりついたその有りようがしたためられ、いっぽうでは実践のかたわら得られた教訓が語られる。
わたしたちは多種多様な社会デザインの地平に立ちながらも、今後いかにして住みやすい社会をつくればいいのだろう。
その重要なヒントをこの本からくみ取ってほしい。
【目次】
はじめに
特別寄稿 社会デザイン学の新しい展開に向けて(北山晴一)
第I部 社会デザインの足場を組み立てる
第1章 社会デザイン研究の歩み--社会変革への意志(中村陽一)
1 はじめに--根底にある問題意識
2 「新しい市民活動」との出会い(80年代)
3 “NPO”というツールの発見(90年代)
4 NPOの「頭打ち」からソーシャルビジネスへ(00年代前半)
5 人びとの社会デザインの選択肢を増やす(00年代後半?10年代)
6 おわりに--編集・実践・研究
おすすめブックリスト
第2章 社会デザイン研究の拡がり
1 社会的排除に抗うコミュニティ・デザイン--居場所とエンパワメント(川中大輔)
2 貧困層への金融支援--マイクロクレジットの現在(笠原清志)
3 国境を横断するジャーナリストのネットワーク化(野中章弘)
4 世田谷パブリックシアターにおける佐藤信の劇場づくり(高宮知数)
5 分からなさへの辛抱と省察を導く博物館の可能性(菅井 薫)
6 多文化共生社会と市民教育--社会意識と自己認識の脱植民地化に向けて(川中大輔)
第II部 社会デザインの力を発揮する
第3章 社会デザイン実践による価値創造
1 現代的「コモンズ」としての okatte にしおぎ〔居場所とサードプレイス〕(竹之内祥子)
2 ワイナリーで見つけた社会的意義〔居場所とサードプレイス〕(竹内三幸)
3 アート鑑賞に対話を用いるオンライン授業の有効性〔アートと文化〕(中野未知子)
4 社会を創る市民教育の実践--東京都立千早高校の事例〔学びと教育〕(親泊寛昌)
5 ヤキイモタイムで地域の人と人との繋がりを編み直す〔ケアと福祉〕(川田虎男)
6 「安全・安心」の先に「自分らしさ」を求めて〔ケアと福祉〕(加藤木桜子)
第4章 社会デザイン実践による環境創造
1 「ネットカフェ難民」報道は政策決定に影響したか〔メディアとコミュニケーション〕(淺野麻由)
2 いまはない「何か」を伝え・共有するために〔メディアとコミュニケーション〕(星野 哲)
3 対面式コミュニケーションとオンラインコミュニケーション〔メディアとコミュニケーション〕(稲見陽子)
4 既存の枠組みから「私」を解放し、新たな地縁を結ぶ〔組織とネットワーク〕(宮本 諭)
5 なぜ私たちは組織を必要とし、組織に翻弄されるのか?〔組織とネットワーク〕(細川あつし)
6 CSRの再定義と企業の社会への適応〔企業と価値〕(山本 誠)
7 パンデミックという危機がもたらしたパラダイムシフト〔企業と価値〕(山崎宇充)
8 同性パートナーシップ制度実現における議会内の合意形成〔公共政策と制度設計〕(石坂わたる)
第III部 社会デザインの未来を創造する
第5章 社会デザインへの試練と可能性
1 日本の貧困問題の現在地--30年の支援活動から見えてきた新たな貧困のカタチ(稲葉 剛)
2 介護はプロに、家族は愛を(石川治江)
3 4つの授業から学んだ4つの「関係性の編みなおし」(梅本龍夫)
第6章 社会デザインの学びの意義と実際
1 大学教育における社会デザイン教育の現状と課題(志塚昌紀・田中泰恵・新保友恵)
2 スポーツで共生社会を拓く、スペシャルオリンピックス(渡邊浩美)
3 社会デザインとNPOの広報(石井大輔)
4 大学生と大人が共に学ぶワークショップの実践(工藤紘生)
5 人とまちと医療の心地よい関係づくり(糟谷明範)
おわりに
刊行に寄せて 中村陽一先生と社会デザイン学(長有紀枝)
人名索引
事項索引
【著者略歴】
2024年11月現在
立教大学名誉教授/東京大学大学院情報学環特任教授/青森中央学院大学経営法学部特任教授/社会デザイン学会会長。