商品説明
演劇
【内容紹介】
1950年代半ばに新東宝に入社した山際永三は、61年『狂熱の果て』で劇映画デビューを果たした。
映画に向けて活発な評論活動を行ないながら2本の実験映画をつくり、国際放映では「チャコ」シリーズ、『コメットさん』、その後は第2期ウルトラシリーズなどのテレビ作品を手がけて、豊かな成果をもたらした。
本書では、同時代への関与と映像表現の革新をめざした山際の多領域にわたる理論と実践の全体像を明らかにする。
【目次】
[第I部 映画運動の中で]
第一章 『狂熱の果て』──社会の壁
第二章 『炎 1960〜1970』──彼方の連帯
第三章 『罠』──狂気と象徴
[第II部 テレビドラマの世界]
第四章 現実と欲望── 一九六三〜一九六八年
第五章 革命の標── 一九六九〜一九七〇年
第六章 日常性と非日常── 一九七一〜一九七五年
【著者略歴】
1971年秋田県生まれ。
東京大学大学院人文社会系研究科教授。
東京大学大学院人文社会系研究科博士(文学)。
新潟国際情報大学講師、東京理科大学准教授などをへて現職。
専門のロシア史研究では『ロシア革命 破局の8か月』(岩波新書、2017年)、『ロシアとは何ものか』(中公選書、2024年)等の著書がある。
映画に関する論稿では、「記憶の中のロシア革命--ロンム『十月のレーニン』とスターリン時代の革命映画」、沼野充義他編『記憶とユートピア(ユーラシア世界3)』(東京大学出版会、2012年)等がある。
さらにセルゲイ・ロズニツァ監督の諸作品について、サニーフィルム刊行の一連の公式ガイドブックに解説を寄せている。
山際永三に関しては、「山際永三『狂熱の果て』とリアリズムの探究」、『文化交流研究』32号、2019年3月、「山際永三『炎1960〜1970』と映画運動」、『文化交流研究』33号、2022年3月、「山際永三、ヴラスタ・チハーコヴァーと『罠』(1967)」、『れにくさ』13号、2023年3月、にくわえ、「破局表現考--歴史学と映画、それに山際永三」、『図書』894号、2023年6月、がある。