単行本(実用) 演劇 他なる映画と 2 / 濱口竜介

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管理番号: BO4657840
発売日: 2024/07/03
メーカー: インスクリプト

商品説明

演劇
【内容紹介】
『ハッピーアワー』『寝ても覚めても』『ドライブ・マイ・カー』『偶然と想像』、そして『悪は存在しない』へ。
カンヌ、ベルリン、ヴェネツィアの世界三大映画祭を制覇し、米国アカデミー賞国際長編映画賞にも輝いた、世界が注目する映画監督・濱口竜介による映画論を、全2冊に集成。
2巻目は「映画批評」篇として、映画をつくりながら折々に発表してきた作品レビューや映画をめぐる論考・エッセーにくわえ、日本語未発表原稿や書き下ろし2篇(7万字に及ぶブレッソン『シネマトグラフ覚書』論ほか)も収録。
私の映画との関わり方、というのは何かと言うと、それはもちろんまず撮る人--この場合は監督として--ということです。
そして、もう一つは、もしかしたらそれ以上に映画を見る人、ただの映画好き、一ファンとして、ということですね。
映画好きが昂じてそれが職業になるところまで来たので、一応は人並み以上に好きなのだろう、とは思っています。
ただ、そんな風に人並み以上に好きであるにもかかわらず、映画というのはどこか、徹頭徹尾私にとって「他・なるもの」であるようだ、というのがほとんど二十年近く映画と関わってきて、私が強く持っている感覚なんです。
「映画の、ショットについて」(『他なる映画と 1』収録)より
自分が文章を書くことでしようとしていたこと、それは、その作品なり作家なりの生産原理を?むことだった。
文章によって、その原理の核心を鷲?みにすること。
せめて尻尾だけでも?んで離さないこと。
本書「あとがき」より
【目次】
I
あるかなきか──相米慎二の問い
映画におけるISAウィルス問題に関する研究報告
ロメールと「死」にまつわる7章
II
『東京物語』の原節子
アンパン--『麦秋』の杉村春子
理想的な映像--『海とお月さまたち』の漁師さん
III
永遠のダンス、引力と斥力の間で--エリック・ロメール『我が至上の愛 アストレとセラドン』
「結婚」というフィクション--ジョナサン・デミ『レイチェルの結婚』
ただショットだけが--小津安二郎『鏡獅子』
too late、 too early--ジョン・カサヴェテス『トゥー・レイト・ブルース』
力の前で--マノエル・ド・オリヴェイラ『家族の灯り』
ある演技の記録--ユベール・クナップ、アンドレ・S・ラバルト『ジョン・カサヴェテス』
〈世界〉を鍛造した男 あらゆる忘却と想起のために--エドワード・ヤン『?嶺街少年殺人事件』
もぞもぞする映画(のために)--ティエリー・フレモー『リュミエール!』
曖昧さの絶対的な勝利--クリント・イーストウッド『15時17分、パリ行き』
身体をまさぐる--ジャン=リュック・ゴダール『イメージの本』
どうやって、それを見せてもらうのか--ペドロ・コスタ『ヴィタリナ』
かわいい人--ギヨーム・ブラック『女っ気なし』
愛の映画--レオス・カラックス『ポンヌフの恋人』
The Art of Preparation--三宅唱『ケイコ 目を澄ませて』
希望は反復する--『エドワード・ヤンの恋愛時代』
ためらいの技術--小森はるか監督特集に寄せて
IV
手紙についての手紙
彼方への手紙--瀬田なつき『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』公開に寄せて
共に生きること--梅本洋一さんの言葉
あの街、この街--柴崎友香、相米慎二
三宅唱監督への10の公開質問--『きみの鳥はうたえる』をめぐって
遭遇と動揺--あるいは、蓮實重彦の「聞く視線」
曖昧な映画の書き手--アンドレ・バザンと俳優の声
聞くことが声をつくる--小野和子『あいたくて ききたくて 旅にでる』に寄せて
物語りについて
孤独が無数に、明瞭に
V
ある覚書についての覚書--ロベール・ブレッソンの方法
あとがき
索引
【著者略歴】
濱口竜介(はまぐち・りゅうすけ)
1978年生まれ。
映画監督。
東京藝術大学大学院映像研究科の修了制作『PASSION』(2008)で注目を浴びたのち、大震災以後の東北地方に取材したドキュメンタリー「東北記録映画三部作」(2011?2013、酒井耕と共同監督)を経て、演技経験のほぼない演者たちを起用した『ハッピーアワー』(2015、ロカルノ国際映画祭・最優秀女優賞)で国際的な評価を得る。
柴崎友香原作の『寝ても覚めても』(2018)を初の商業映画作品として発表し、その後、オムニバス作品『偶然と想像』(2021)ではベルリン国際映画祭・銀熊賞、村上春樹原作の『ドライブ・マイ・カー』(2021)ではカンヌ国際映画祭・脚本賞のほか米国アカデミー賞・国際長編映画賞に輝き、最新作『悪は存在しない』(2023)もヴェネツィア国際映画祭・銀獅子賞を受賞するなど、世界がもっとも注目する映画作家の一人である。