商品説明
日本エッセイ・随筆
【内容紹介】
『春と修羅』刊行から100年、賢治文学の神髄に迫る。
30年の間に試みた花巻でのフィールドワークと宮沢清六(賢治の弟)さんへの聞き取りを基礎にしたもの。
なめとこ山の熊論、セロ弾きゴーシュ論、宮沢賢治の挑戦、資料「宮沢賢治研究I」などから構成、「法華経」をキーワードに賢治作品の核心に触れる渾身の一冊。
【目次】
はじめに
第1章 宮沢賢治の地平を歩く-様々な実践を通して-
1 賢治文学の魅力-常葉橘高校での実践を踏まえて-
2 「雲の信號」と「稲作挿話」
3 「告別」にこめた賢治の決意-修文大学での講義を含めて-
4 宮沢清六氏との出会い-宮沢家の居間にて-
5 現代に生きる賢治作品-愛知県立芸術大学生たちの試み-
第2章 『なめとこ山の熊』論-物語世界からの救済-
はじめに
1 『なめとこ山の熊』から読み取れる現実のヒエラルキー
2 弱肉強食の摂理
第3章 『セロ弾きのゴーシュ』論-「開示悟入」をキーワードに-
1 ゴーシュの背景
2 法華経の存在
3 動物たちの役割と背景
4 法華文学の創作の理想を求めて
第4章 宮沢賢治の挑戦-超現実の陰影を求めて-
1 超現実の仕組みと賢治作品
2 ユーモアと超現実
3 『銀河鉄道の夜』解題I-賢治と超現実-
4 『銀河鉄道の夜』解題II-鳥を捕る男-
5 エクリチュールの行方
資料 (論文 宮沢賢治研究1-大正4年から大正10年に至る賢治の信仰心の変遷を中心に-
A Study of Kenji-Miyazawa No.1)
おわりに
宮沢賢治略年譜
【著者略歴】
愛知県生まれ。
博士(人間文化学)。
名古屋市立大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了。
国立長岡高専教授を経て名古屋短期大学教授。
著書『詩人 西脇順三郎 その生涯と作品』(小社刊、加藤孝男と共著)、『西脇順三郎と小千谷』(風媒社刊)等。