商品説明
社会
【内容紹介】
今日、疫病の世界的な流行と戦争あるいは国際紛争の多発によって、国家間の分断が深刻化する中、多くの国が他国における自国のイメージを向上させるため、また、それによって自国の外交活動を有利に進めるため、「パブリック・ディプロマシー」(対市民外交)の一環としての文化外交に力を入れている。この文化外交は、1960年代以降の日本では「国際文化交流事業」と呼ばれているのだが、その起源は1930年代に開始された「国際文化事業」にまで遡ることができる。
本書では、この「国際文化事業」がどのような目的から開始されたのかを分析するとともに、その時代の「国際文化事業」の内容や枠組・方法が今日の「国際文化交流事業」にどのように継承されたのか、また、戦後日本の文化活動や教育・政治にどのような影響を与えたのかを、言語普及・日本語教育・留学生教育等の多彩な観点と多様な角度から考察する。
【著者略歴】
1961年、東京に生まれる。1986年、一橋大学大学院社会学研究科修士課程を修了したのち、国際交流基金(現在の独立行政法人国際交流基金)に勤務。2006年までの20年間、同基金で国際文化交流事業(とくに海外の日本語教育を支援する事業)に携わる。2003年、一橋大学大学院言語社会研究科より博士(学術)の学位を取得。その後、長崎大学教授を経て、2013年から埼玉大学教授。この間、国際教養大学客員教授、大東文化大学特任教授、政策研究大学院大学・早稲田大学・専修大学の非常勤講師・兼任講師を歴任。また、学会関係では、日本語教育学会評議員・代議員、日本言語政策学会理事を務める。