単行本(実用) 経済 アジアの経済安全保障 / 宮本雄二 / 伊集院敦

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管理番号: BO3979412
発売日: 2023/06/16

商品説明

経済
【内容紹介】
東アジアが多様なリスクにさらされている。台湾海峡や朝鮮半島などの伝統的な安全保障リスクだけではない。中国の台頭などによるパワーシフトと戦後の国際秩序の揺らぎが地政学的リスクを増大させ、「新冷戦」とも言われる米中の大国間競争の影響が地域の経済や産業、科学技術、文化、教育などに及んでいる。この地域での著しい技術革新や産業経済の発展自体も新たなリスクをもたらす。2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻で世界の分断がさらに進み、東アジア情勢への連動が注目される。
 本書は、アジアの経済安保を総合的に解説。増大するリスクに対応するため各国が経済安保の取り組みを強化し、地域の姿を変え始めた。東アジアの各国・地域のほか、西側陣営をリードする米国や「グローバルサウス(南半球を中心とした途上国)」の一角として発言力を強めるインドの動向を調査し、戦略物資の半導体をめぐる攻防や地域エネルギー安保の問題も研究した。相手に対する脅威認識から始まる安全保障の措置が逆に相手の脅威となり、際限のない軍拡競争を招いてしまうことを「安全保障のジレンマ」という。経済安保の諸政策も取り組み自体が新たなリスクを生じさせるリスクがあり、地域におけるリスク軽減策についても検討してみた。
【目次】
第1章 米国主導「戦時」の半導体戦略--半強制的サプライチェーン再編
 太田泰彦(日本経済新聞編集委員)
第2章 デカップリング対応を模索する中国--習近平政権の経済安保政策
 真家陽一(名古屋外国語大学 教授、日立総合計画研究所 リサーチフェロー)
第3章 中国における軍民融合発展戦略の展開--多用途先端技術と国防科学技術工業
 土屋貴裕(京都先端科学大学准教授)
第4章 中国のエコノミック・ステイトクラフト--経済の武器化と求められる対策
 長谷川将規(湘南工科大学教授)
第5章 外交孤立の台湾、危うい「シリコンの盾」
 山田周平(日本経済研究センター研究員兼日本経済新聞社編集ビジネス報道ユニット担当部長)
第6章 ASEAN、米中の狭間で風見鶏--メガFTAは「掛け持ち」
 富山 篤(日本経済研究センター主任研究員兼アジア予測室長)
第7章 インド経済外交の多元方程式--中国、パキスタン、ロシアそしてG20
 山田剛(日本経済研究センター主任研究員兼日本経済新聞シニアライター)
第8章 アジア・ゼロエミッション共同体の展望--脱炭素時代のエネルギー安保の課題
 松尾博文(日本経済新聞社 上級論説委員兼編集委員)
終章 分断を超えたアジア経済安保戦略の構築--安保と経済の好循環シナリオ
 伊集院 敦(日本経済研究センター 首席研究員)
【著者略歴】
宮本アジア研究所代表、日本日中関係学会会長、日中友
好会館会長代行、日本アジア共同体文化協力機構理事長
1946年生まれ。京都大学法学部卒業。69年外務省入省。87年外務大臣秘書官、90年中国課長、94年アトランタ総領事、2001年軍備管理・科学審議官、02年ミャンマー大使などを経て、06年より10年6月まで中国大使