商品説明
社会
エッセイ・随筆
/●東日本大震災の被災地にはさまざまな宛先の挽歌がこだまする。●これからも耳を澄ませていくことが、亡き人の魂を鎮め、残された人の思いをそっと受けとめることにもつながるのではないか・・・。●本書の刊行には、そうしたメッセージも込めている。「あとがき」より 苦しみの一年が過ぎ、悲しみの一年がつみ重なっていくうちに、野にわたる風が死者の声を運んでくれる。山中の樹木のあいだに亡き人の姿が立ちのぼる。日に輝く海のかなたからも、なつかしい人の言葉がきこえてくる。われわれが発したはずの挽歌の声が、まるでブーメランのように死者の側から逆にとどけられる。それがまた、癒しの循環をつくり出す。