商品説明
日本文学
【内容紹介】
◆第六句集
蜷が身をゆするたび砂ながれけり
この句集に収められている八年間は、私にとっては試練の時期でもあっ
た。今後、俳人としてどのように働くことが出来るのか。現在模索中である。
(著者)
◆自選十五句
芍薬の蕾に案の如く蟻
川の名の変はりてさらに鰻落つ
グエンさんゴさん勤労感謝の日
卒業の日の「おはよう」を交はし合ひ
吾が断ちし根ツ切虫の天寿かな
病ひには触れず日焼を褒めくれし
充電のごとく冬日に身をさらし
箱釣の箱立てかけてありにけり
稲架立てる場所をまづ刈り取りにけり
手びさしの右手が疲れあたたかし
船虫に英傑のあり凡夫あり
青鷺の踵揚ぐれば指垂るる
同乗の救急車より年の瀬を
蜷が身をゆするたび砂ながれけり
お薬師さま里へ下ろして山眠る
【著者略歴】
昭和20年 埼玉県草加生まれ。
昭和37年 慶應義塾高校在学中、清崎敏郎に師事。俳句を始める。
昭和39年 慶應義塾大学入学。「慶大俳句」に入部。俳誌「玉藻」入会。星野立子に師事。
昭和40年 「笹子会」入会。
昭和49年 「玉藻研究座談会」に加入。
昭和59年 俳誌「晴居」入会。高木晴子に師事。
昭和63年 俳誌「惜春」入会。
平成11年 同人誌「珊」参加。
平成18年 35年奉職した慶應義塾志木高校を退職。逗子の自宅にて「日盛会」開催。「惜春」退会。
平成19年 俳誌「夏潮」創刊主宰。
令和元年 大磯鴫立庵二十三世庵主就任。
句集に『本井英句集』『夏潮』『八月』『開落去来』『俳句日記 二十三世』。著作に『高浜虚子』(蝸牛俳句文庫)『虚子「渡仏日記」紀行』。『本井英集』(自註現代俳句シリーズ)『虚子散文の世界へ』。