商品説明
日本文学
「有」と「無」の中間で一休みする、などこれっぽちの余裕などなく、 血刀を振りかざして鬼となり、 中世の闇を切り裂き、疾走する一休。 悟りを啓く前のもがき苦闘する悪党一休が、 ここにいる !時は室町時代。禅僧一休は、ある日十七年前に近江で命を救ってくれたお冴と京の郊外で再会する。お冴は盗賊の女首領になっていた。二人はまた逢う約束をするが、彼女は何者かの手によって誘拐されてしまった。京の裏社会を仕切る孫八の手を借りてお冴の操作にのりだすが、彼女の誘拐が最近倶利伽羅峠山中で起きた砂金強奪事件と何らかの関わりがあることが判明。その事件には都の政界の黒幕で夜の女をさらう怪人物・大道豪安の影が。しかもその事件にはまた別の予想外の人物が絡み、事態は思わぬ方向へ。