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亡き師匠・麒島麟太郎の名で、流行中の小説『誰が袖』の執筆をしている藤。開花アパートメントでの出逢いが、彼の「師への思い」を揺さぶる。絵画を通して歪な関係を続ける、画家とその姪。名門の学校に通いながらも出自に劣等感を抱く、元・孤児の青年……。大正末期の妖しき奇縁譚、待望の第2巻。