商品説明
日本エッセイ・随筆
【内容紹介】
昭和51年(1976年)没の檀一雄、舟橋聖一から平成6年(1994年)没の吉行淳之介まで、冥界に先に旅立った22人の師友に捧げられた感謝と惜別の情。
若き日より老年に至るまで文学を自らの道と定めて険しい道を生きた作家・水上勉が、文学についての語らい、旅、酒席やゴルフなど、さまざまな時間をともに過ごした文士たちを想い、心を込めて綴った追悼文集の白眉。
とくに小林秀雄に7篇、大岡昇平と中上健次には5篇が捧げられており、著者より年長年少を問わないその交わりの深さと追悼の念の痛切さに、読む者として感慨を禁じえないのである。
【著者略歴】
水上勉(1919・3・8〜2004・9・8)小説家。
福井県生まれ。
立命館大学国文科中退。
種々の職業を経て、1948年、宇野浩二の推薦でデビュー作『フライパンの歌』を刊行、文壇に知られる。
その後生活上の困難を抱え洋服の行商に従事する日々を送るが、松本清張の影響を受けて推理小説を書き始める。
『霧と影』『海の牙』が直木賞候補となり、61年、『雁の寺』で直木賞を受賞。
底辺から社会を見つめる姿勢を忘れることなく執筆をつづける生涯だった。
ほか主な作品に『五番町夕霧楼』『越前竹人形』『飢餓海峡』『宇野浩二伝』『一休』『寺泊』『良寛』などがある。