商品説明
日本エッセイ・随筆
草思社文庫/「粛々」は、もともと中国の古典では「鳥のはばたき」や「寒風の吹きすさび」を表すことば。それがなぜ、日本に溶け込む過程で、現代の政治家が「法案を粛々と否決する」などと好んで口にすることばへと変化していったのか。古代中国から現代日本へと至る、漢字の擬態語の日本語化の歴史を中国古典にまで掘り下げてたどる。<内容より>プロローグそのことばはどこから来たか?第1章”漢字の擬態語”入門1 お堂と「堂々」は関係あるか?2 鐘は「丁寧」に叩きましょう3 「揶揄」が「手」へんである理由4 ”漢字の擬態語”を眺め渡す第2章中国語から日本語へ1 「逍遥」を楽しむ男たち2 酒飲みは「酩酊」、お年寄りは「矍鑠」3 日本の馬は「蕭々」とは鳴かない4 高音は夜、「切々」と響く5 どれを選ぶか「逡巡」しつつ第3章受け継がれる”ことば”1 「悠々」としていても見つからない2 風にまかせて「飄々」と3 あの大声には「辟易」するなあ4 オレたちとの違いは「歴々」としている第4章変化の中のきらめき1 人びとが「溌剌」とし始めたころ2 否定できない「齷齪」とした現実3 政治家が「粛々」を好むわけ4 最後の最後に「颯爽」と登場?エピローグ ”ことば”の大河のほとりで