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日本文学岩波文庫/「私はこの本一冊を創るためにのみ生まれた」--<太宰治>という作家の誕生を告げる小説集であると同時に、その最高傑作とも言われる『晩年』。まるで散文詩のような冒頭の「葉」、<自意識過剰の饒舌体>の嚆矢たる「道化の華」他、日本近代文学の一つの到達点を、丁寧な注と共に深く読み、味わう。(注・解説=安藤宏)